6U8 SRPPアンプ の試作
手持ちの部品で できるだけコストを掛けずに真空管アンプを製作しました
オーデオ用の真空管といえば 2A3や300Bなどを思い浮かべますが そんな本格的なアンプでなく 意外な球を使った小さなものです 製作には代用品をいろいろ活用しまた 「こんな ものでも音が出るのか?」 程度でご覧ください
真空管の時代のラジオの低周波増幅管は ST管では「6ZP1」「42」 mT管では「6AR5」 「6AQ5」などが良く使われていましたが ここでは 高周波増幅(混合、局発)で使われる 6U8(6BL8)をSRPPで使いました オーデオ出力は推定 0.1〜0.2Wくらいでしょうか? (この程度のアンプ用のICなら@¥100以下で購入できますが あえて真空管としました) ジャンク箱で眠っていた 「6U8」の生年月日は昭和38年でした 新たに購入すると 一本¥1000位します
シャーシの構造を工夫する
シャーシは市販の「アルミシャーシ」を使えば体裁よく出来ますが コストと作り易さを重視して ホームセンターで購入した0.8m厚のアルミ板を曲げて自作しました 弁当箱状の箱を作るのは かなり難しいのですが 側面に木製の板を使うこと(曲げは2箇所のみ コの字型)で簡単に 見かけも「まあまあ」に出来上がりました。 (側面板はエポキシ系接着材で補強材をいれて接着)
アルミ板の穴あけは普通シャーシパンチを使いますが 今では入手しにくい工具になりましたので スタンダードな「糸鋸」で切り抜きました 1mm以下のアルミ板なら思ったより簡単で綺麗に切り取れます
部品はできるだけジャンク箱から捜索して利用することを モットーとしましたので 「誰でも同じようにできる」とはいかないかも知れません し、新品の部品をお店で探すのも大変かもしれません 今回は 電気の理屈に従えば意外な物が意外なところに使えるという「実験」にもなっています
電源トランスは出力トランスの代用に使える!?
真空管用の出力トランスは最近なかなか入手しにくい部品ですが 手元にあった200V/12Vの 電源トランスを使ってみました 多分、100V/6.3V 5Vでも12Vでも使えると思います
近頃は電源トランスの鉄心材料も良くなっているので オーデオ周波数でも何とかなるだろう と考えたわけです
SRPPの働きや理論は先輩諸氏がHPなどで お書きになっているので そちらをご覧ください
ミニアンプ 達 手前 左から 6AR5超3結、6U8 SRPP 、 386(IC) 奥 左 6CG7
SRPP、6CG7 SRPP(出力計付き)、電源ユニット
代用出力トランスは故障した家電品(ファンヒーター)の電子基板で使われていた「電源トランス」で 小さな箱に収めました
箱の材料は3mm厚の朴板です ラッカーで塗装しました 一見すると それらしく見えます もちろんシールド効果はありません
音出し
電源スイッチを入れると 6U8のヒーターが ほんのり 赤く光ります 真空管アンプの魅力的なところですね
ハム音は聞き取れません 複合管といえ真空管1本なので増幅率は低いようです 入力レベルを少々上げてやる必要がありますが 「CDプレア」(0.5V位の出力電圧)を 音源にするのが丁度いいくらいでした 静かな室内なら 十分実用的な音量です 周波数特性を このアンプに求めることは論外ですが 出力トランスを「本物」にすれば多少は よくなるのかも知れません
その後 インピーダンスマッチングの目的で 入力トランス(山水 ST−14)を使用してみました マッチングが改善されたらしく 音量が少しアップしました(入力トランスは思った以上に高価です)
注意
当然ですが 200vから250v 30mA〜40mA位の電源ユニットが必要です もちろんスピーカー2個も ・・・
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