1/200 駆逐艦 島風
製作開始 2010−8−15 完成 2011−5−5
日本の駆逐艦で もっともスピードが速く重装備の「島風」を製作することにしました 「島風」の資料は少ないため 図面捜しには苦労しました 学研 「陽炎型駆逐艦」 のイラスト(水野行雄) 島風最終状態 を参考にしました 船体の側断面図は「陽炎」を参考にしました いつものとおり ホームセンタで購入した アガチス材を「箱型」に貼り合わせて 削り出しました 実艦の説明は軍艦メカニズム図鑑 「日本の駆逐艦」 グランプリ出版 森 恒英 著 から引用しています
10mm厚のアガチス板を張り合わせて 船体を作る
零式5連装魚雷発射管(島風用に開発)は紙で4mmφのバイプを作る シールドは0.5mm厚プラバン
救命浮き輪は0.8mmの糸半田 ライフボートは木型を作り1mm幅の画用紙を貼り「クリンカー張り」を表現する 海軍信号書は「軍機」とされ皮製の表紙に鉛板を入れ 艦船が沈没したときには浮き上がらないようにしていた
ジャッキステーはビニール電線の芯線(約0.15mm位)を はんだ付けで製作 砲塔は木製なので楽だが魚雷発射管はプラバン製なので 溶かさないように 細心の注意が必要
船首は凌波性を向上させたクリッパー型。 船体は「陽炎」よりも細長い (L/B比は11.25) 主缶(ボイラー)は40kg/cu 400℃ 75000馬力(大和の半分) 量産が難しいものだった
最初の計画では魚雷発射管は7連装 2基 だったがこれだと大きすぎて非常時に人力で旋回させることが出来ないため 5連装にした という
島風の艦橋の特徴は 羅針盤艦橋前面に「遮風装置」を装備したこと
50口径3年式12.7センチ連装砲D型は最大仰角75度
島風に搭載された距離儀は 99式3m広角、96式2m、96式66cm (基線長の長いものほど測距精度は高い)
島風は予備魚雷を持たないので次発装填装置はない
一斉射の場合 93式酸素魚雷15本という世界最大の重装備駆逐艦であった 発射管の正式名称は零式5連装水上発射管
通信には無線電信、電話、旗旒信号(マストの信号桁に上げる信号旗)、手旗信号、白光(「発光」ではない)信号、色灯信号、形象信号などを使用した 中でも 旗旒信号は敵に傍受される心配が無いため大戦中でも重用された
日本の駆逐艦甲板被覆材には防音、防熱の目的で リノリュウムが使用されていた リノリュウムは亜麻仁油の酸化物に樹脂、ゴム質物質、コルク屑など混ぜキャンバスに圧着したもの
模型では Mrカラー サンデ−ブラウン(19)とウッドブラウン(43)を1:1に混合して使った
撮影 2011-5-2
残すは アンテナ線の加工と スクリューのみ 資料に基ずき 外舷電路の固定金具の数を増加しました
プラモをストレートに組み上げた「陽炎」(下)と並べた (間違えて煙突内部に整流板をつけてしまった)
「島風」の魚雷搬送レールの脚部分は「櫛の歯状」に改修しました プラモとは差別化を計る
煙突を横切るパイプは 多分 伝声管 だと思う(資料がイラストだけなので・・・)
普通キャンバスを掛けた状態で作ることが多いが 今回はキャンバス なし
リノリュウム押さえは 「矢矧」と同じ工法 ニチバン装飾用テープ「マイラップ」(金色)を0.8mm巾で切り9mm間隔で貼り付ける(実艦は1830mm巾)
端材で煙突や艦橋部分のブロックを作る
魚雷は3mmφの銅パイプの先端に半田を盛って作る
93式魚雷は直径61cm 長さ9m 炸薬量480kg全重量 2.8t 圧縮空気で発射する
真珠湾奇襲時の無線封鎖
機動部隊は厳重な無線封鎖をした とされるが 開戦前後は日本近海の留守部隊が 機動部隊各艦の 呼び出し符号を使って盛んに ニセ交信を行い 南雲部隊の行動欺瞞 に成功している
戦後 米国の 調査の中に「日本の機動部隊は無線封止など行っておらず空母などの主要艦艇の交信を多数受信していた」とあるが これは 上記 欺瞞交信の傍受であった
JA2IIN 電波と歴史 CQ HAM RADIO 2022 01 より抜粋