日時:平成10年7月4日 21:00〜 5日 15:00
運用場所:長野県木曽郡王滝村御嶽山 海抜2300m地点
1 参加部門
一度マルチバンドに参加してみたかったが、他のコンテストではバンド数が多くなかなか意欲がわかなかった。が、6m&Downなら50MHz以上であり、バンド数もそんなに多くない。2400MHz以上も別カウントとなったが、事実上50、144、430、1200MHzの4バンドでの勝負であると踏んだ。
電信電話・シングルOP・マルチバンド部門に決定!
2 機材
RIG/ANT
50MHz FT−655、IC−760 クリエイト6ele
144MHz IC−820、TS−790 タナー9ele
430MHz IC−820、TS−790 マスプロ15ele
1200MHz TS−790、FT−5800 マキ25ele
電源
発動発電器+バッテリフローティング運用
ロギング用PC及びソフト
PC−9821Lt+ZLOG
KEY
コンピュータキーングPC−9821Lt
エレキー ベンチャーBY−1
アンテナマスト
フジインダストリー タイヤ踏み6m及び4m 2本
アンテン移動用ポール
実は、VUマルチは先月のオール岐阜コンテストで予行演習をしてある。ここでは、アンテナマストがフジインダストリーのタイヤ踏み6mとアンテンの移動用ポールしか手持ちがなく、フジに6m6ele、アンテンに144〜1200MHzの3本を付けた。
所詮、アンテンは小型アンテナ用であり、無理があることがわかったため、今回フジインダストリー4段ポールを追加購入した。ベースとポールで3万円の出費である。
3 出発
場所は、いつもの長野県木曽郡の御嶽山と決めている。
多治見市の自宅を朝8時に出発。カーナビで到着時間を確認すると、14時と出た。距離は150Km位であるが、評定速度は25km/hで計算しているようだ。
市内のGSで発々用のガソリンを、中津川のいつものコンビニで食料を仕入れるが、なんと、久しぶりのつゆ間の晴天で、おにぎりはすべて売り切れである。次のコンビニで何とか確保した。
現地へ、到着したのは12時丁度、カーナビ到着予定より2時間稼いだ格好となった。
トランクを開けたとたん、深刻な問題が発生した。発々のガソリンが漏れていたのである。ガソリンは、4Lのオイル缶に5本もってきたのであるが、1缶に穴があき缶を収納していたトレイに浸かっているのである。下手をすれば、爆発炎上の可能性もあったわけでまずは一安心。原因は、海抜が2300mで容器が膨張し、錆のあった弱い部分がパンクしたためである。どの容器もポンポンに膨らんでいた。
次回は、ガソリン携行缶を購入したい。
4 設営
タイヤ踏みのポールを2本立てるのは初めてである。6m6eleは慣れているので、スムーズに上がった。144〜1200MHzの八木は全てシングルであるが、1本のスタックブームに3本とも付ける。
次は発電器やRIGのセッティングである。ここで、またもトラブル発生、TS−790のマイクを忘れてきてしまったのである。したたがないので、スペアのIC−820と1200MHzはモービル機のFT−5800を使用することにする。ここで、1200の電信はあきらめることになる。しかし、これを書いていて、マイクは無くても電信はできることに気が付いたが、後の祭りである。
気が動転していると、正常な思考ができない。今度は、安定化電源の電源が入らないトラブルが発生!。一瞬頭の中が真っ白になるが、ケースを開けて調べてみるとヒューズは飛んでないのにPLが付かない。もしやと思ってコンセントを確認すると抜けていた。
そんなことをしていると、1台のワンボックスカーが横付けして来た。ルーフキャリアには同じフジインダストリーのマストがくくりつけてある。常連さんか、と思ったが初めてみる方である。コールはJH0EHQ、長野市から4時間かけて来たという。430MHzシングルで参加するとの事。別のところを探すということで、数百メートル下のポイントを推薦しておいたが、やはりそこに決めたということで、アンテナ設営完了してからまたみえた。
5 RTTYサービス
今回は、コンテスト参加が主であるが、RTTYのサービスの目的もある。NiftyのVU−RTTYのフォーラムに予告してきたので、待機している局もたくさんいるはずだ。
RIGなどのセッティング、調整、ロギングソフトの設定がすべて終了したときには、掲示した時間を大幅に回っている。17:00にCQを出すといきなりパイルアップである。1時間半くらい呼ばれ17局と交信でき、その後は応答が無くなったためRTTYサービスは終了する。
6 コンテスト開始
開始30分前にもなると、コンテスト周波数では周波数確保のCQが目立つようになる。まず大票田の50MHzSSBからCQを第一声、快調に呼ばれ続け、ちょっと落ち着いたところでCWにQSY、次に144MHzと同じようなパターンで1200MHzまで運用、また50MHzに戻る。呼びに回ったり、CQ連呼も取り混ぜての循環で運用すれば、その間に新しい局が出てくる。
50MHzは、Esが出ているようである。6エリアや8エリアが散発的に聞こえるが、がつんと強力には入感しない。ここでは、6エリアはグランドウエーブでもつながる場所でもあるが、沖縄も入感しているのでまさしく異常伝搬である。
144MHzは、それなりの入感状況である。このバンドは、コンテスト参加層がはっきりしている。SSB人口はかなりいるが、いわゆる「五つと一つ」の国内DX愛好家はコンテストには見向きもしないらしい。従って、コンテスト時間中も250kHzより下も移動局が出ていて、賑やかいのが不思議であった。
430MHzは問題のバンドである。SSBはほとんど出ていないので、主流は必然的にFMとなる。メインCHでCQを出して、サブCHで交信するパターンが定着しているのですが、まだ、クラブCHでの優先使用意識があり、アマチュア無線のルールが通用しない世界でもある。
このバンドの連中は、使用してなくても聞こえれば混信があるという発想なのである。ひどい場合は、使用したければクラブに入れというものまでいる。今回は、無変調の執拗な妨害に悩まされたが、無視して妨害波より強い局を拾うように居座ったが、さすがに根負けした。ここで、アマチュア無線の本質を説いても、らちがあく訳が無く、違う周波数にQSYするのが賢明である。
1200MHzは同じくFM主流であるが、そのような事はなく周波数もあいているが、局数が少ないためポイントが延びないのが残念である。
4 嵐にみまわれる
山の天気は変わりやすいというが、昼には晴れていたものが深夜には急変、すごい風と雨である。6m6eleはステーを張っておいたので一応は安心。問題は発電器であるが、そのための傘が用意してあるが、この風ではまともに防ぐ事は不可能と思ったが、一応取っ手にくくりつけたところ、風の方向を向けておけば以外にこれが有効である。
フジインダストリーのポールは、各段毎に上下のロットがロックピンで固定されるため、一番下の蝶堀とを締めれば風で回転することはない。
5 結果
次の日は、夜中の嵐が嘘のようにからっと晴れ上がっていた。終了間際になると、さすがに呼びに回っても新しい局は少ない。周波数を回れば、1時間ほどのインターバルができるので、20局程はコンスタントに呼ばれる。大票田の50MHzSSBを最後にコンテスト終了時間を迎える。
結果は
50MHz 388局×43マルチ
144MHz 225局×31マルチ
430MHz 121局×25マルチ
1200MHz 16局× 6マルチ
合計 750局×105マルチ=78750点