開会式の翌日、9月3日は144MHzの競技が開催された。前日に審判員会議が開催されてルールの確認や、地理上の注意事項などが説明されたが、私がこの競技用の地図を渡されたのは審判員として現地に出発する当日の直前である。審判員といえども事前に競技用の地図は渡されないのである。ホテルの部屋は日本人の選手団と同じであり、渡せば選手の目にとまることは当然予想されるため、当然の処置といえる。
審判員と実行委員は、朝の5時に朝食をとった後、数台の自家用車に分乗してスタート地点へと向かった。場所は、昨日の開会式の行われた場所より更に西へ行った南側の山道入り口が用意されていた。
選手はホテルからバスに分乗してスタート位置に移動してくることになっている。
私は、審判員会議でNo1TXの担当と決まっていたため、現地のTX設置担当者を紹介され、その人の車で設置予定場所に向かった。競技場所は、日本の山あり谷ありの風景とほとんど変わりはなく、生えている草木も全く見慣れたももので、遠く異国に来た感じはない。
山道を2km程南に入ったところで車を降り、100m程松林に入った場所でが 所から設置場所近くに到着すると、どこに設置しようかという話になり、(実は、私と一緒にTX1を担当する現地人スタッフは全く英語が話せないので身振り手振りの会話であるが・・・・・・・)アンテナをくくりつける松の木のそばに設置することとした。この場所は、山道から100m程あり、特に茂みに隠す必要はない場所である。
スタート場所は地図上の南東角、ゴール地点は北東角、No1TXの設置場所はスタートとゴールの中間地点(スタート地点から1.2km)である。つまり、競技エリアはずっと西方向に広がっているわけで、No1TXは最初にとるか最後にとるか迷うところである。ところが、スタート時刻から10分も経過すると、続々外国勢が現れるようになる。予想もしていないような方角から、次々と疾風のように現れては去ってゆく様子は、さすが世界大会、日本では見られない光景だ。
|